2016年 07月 07日
おはなしボランティア(2回目)
先月になりますが、2回目のおはなしは、やはりグリム童話から、
「くもりのないおてんとうさまは かくれてるものを明るみへだす」
を選びました。
前回よりもずいぶん長い(7~8分)ので、
覚えるのに少し手間取りましたが、
私が底本にしているのが岩波文庫の金田鬼一さん訳で、
これが口にしてみると随分語りやすく、そして覚えやすいのです。
他の翻訳と比べたわけではないのですが、
何だか口にしたくなる言葉が使われています。
「素寒貧(すかんぴん)」とか、
「世帯(しょたい)をきりまわす」とか、
「修行の旅がらす」とか…
これらが所々で鍵になって、覚えるのを助けてくれるんです。
それに、母音の順序というのでしょうか。
口の開け方が、ちゃんと次の音へつなげて
動かしやすいようにできている気がします。
このおはなしは、罪を犯してしまった仕立て屋さんが、長い時を経て、
ついに罪が明るみに出て報いを受ける話です。
若干お説教くさい面もありますが、
おてんとうさまの不思議な力が、どのようにそれを明るみへ出すかが面白い点です。
実は、おてんとうさまではなく、人間の業というか本質的な心理が、
そうさせているのかもしれません。
最初から緊張感のあるおはなしで、
どうなってしまうのか、最後まで気がかりが続くサスペンス的な物語です。
by yoinezumi
| 2016-07-07 17:01
| おはなし